ご葬儀について
浄土真宗においてご葬儀とは「亡き人を偲ぶとともに、その方が人生の最後にご家族はじめ有縁の方々のために、いのちをかけて結んで下さった仏縁である」といただいてゆきます。 単なるお別れで終わらせるのではなく、お浄土へかえられた亡き人を縁として、悲しみの中で自分のいのちの行く末に目を向けてゆくことが大切です。 そして厳しい現実の前で「寂しいけれど亡き人も私も等しくお浄土に生まれ仏とならせていただく」「お念仏申す中に、これからも亡き人をそばで感じてゆける世界がある」ことを聞かせていただきましょう。 それが浄土真宗のご葬儀であり、そのまま亡き人を大切に想うことにもつながってゆくのではないでしょうか。
臨終から満中陰までのながれ
- 臨 終
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① 亡くなられたら、先ずお寺に、臨終の通知をしましょう。
② その後、臨終勤行(枕経)に自宅(または葬儀社)にお伺いいたします。
③ 臨終勤行(枕経)終了後、お伺いした際に通夜・葬儀の日時などの打ち合せを行います。
仏教では、この「臨終勤行」から一連の葬送儀式がスタートします。本来は「臨終勤行」とあるように、臨終を迎えようとする人を仏間に移動し、北枕に寝かせ、「寂しいけれど亡き人も私も等しくお浄土に生まれ仏とならせていただく」と言うことを確かめ合うお勤めでした。しかし実際にはできませんので僧侶が代わって、親族とともに阿弥陀様にお礼を申し上げる勤行であります。
ご遺族の服装は、地味な普段着で構いません。そして、臨終勤行の時も、門徒式章と念珠(数珠)を掛けるように心掛けましょう。
門徒式章はお寺からお貸出しできますので申し出て下さい。
通夜・葬儀でもどうぞお掛け下さい。
- 通 夜
- 葬儀の前夜であり、生前のお姿を留め置く最後の日です。近親者や友人など生前に縁のあった方々が仏前に集まり、皆で仏法に耳を傾け、故人を偲んで心静かに別れを惜しむ場であります。
- 葬 儀
- 故人を葬送することをご縁とし、故人を偲びつつ、すべてのものを救うと誓われた阿弥陀様の願いを聞かせていただきます。亡き人が仏前で手を合わせるご縁をつくって下さっているという気持ちで厳粛にお勤めしましょう。
- 還 骨 勤 行
- 遺骨をご尊前の脇に安置しお勤めいたします。故人を偲び、諸行無常と愛別離苦のことわりを厳粛に受けとめるご縁です。(初七日を併せて勤める場合もあります。)
- お寺まいり(お礼参り)
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葬儀の翌日から一週間以内にお寺にお礼参りに伺います。その際に一連の葬送儀式のお布施を持参し本堂のご尊前にお供えし、尊厳な葬送儀式が滞りなく終了したことを奉告いたします。また今後の中陰参り(二七日・三七日・四七日・初命日・五七日・六七日・四十九日)の日時の打ち合せも行います。
お寺まいりに来られる際はあらかじめ日時をお電話にてご連絡下さい。
- 満中陰(四十九日)
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亡くなった日から四十九日間を「中陰」といい、満中陰(四十九日)まで七日ごとに勤めます。悲しみの中から『私』の人生の確かな依りどころを見出していくための大切な法要であります。省略はせずきちんとお勤め下さい。また疑問や心配事を僧侶に相談する貴重な機会でもあります。お力になれることもあるかもしれません。おひとりで悩まずご相談下さい。
満中陰法要(四十九日法要)はご法事です。土日祝日をご希望の方はお早めにご連絡下さい。
「四十九日の法要が三ヶ月にわたってはいけないんですか?」というご質問をよく耳にしますが、三ヶ月にわたっても大丈夫です。なるべく四十九日に近い日を選びましょう。「四十九日が三月」→「始終、苦が身に付く」という単なる語呂合わせから、三ヶ月にわたってはいけないという迷信が生まれたようです。しかし、月の後半に亡くなられれば、必ず三ヶ月にまたがります。 私たちにとっては七日ごとに仏法に遇わせていただく尊いご縁なのです。迷信に振り回されて大事なご縁を失ってはなりません。
世間には葬儀にまつわる色々な風習や世俗の迷信あるいは俗信がありますが、
それらに振り回されないように本来の正しい浄土真宗の葬儀を行いたいものです。
わからないことがございましたらご自分で判断せずお寺までご相談ください。